Betti Marenko博士が特任教授として環境・社会理工学院に着任しました。

Betti Marenko博士が特任教授として環境・社会理工学院に着任しました。

WRHIからのお知らせ

Betti Marenko博士に、中井検裕環境・社会理工学院長より辞令交付しました。
(左から野原佳代子教授、Marenko博士、中井環境・社会理工学院長)

<専門分野>

ヨーロッパ大陸哲学と批判理論、デザイン研究、テクノロジー哲学

<Tokyo Tech WRHIでの共同研究と抱負>

私の学際的研究は、不確実さを増しつつある世界の課題に取り組むためデザインと哲学を結合させるものです。デザインと哲学の出会いは、より良い未来を築き、変化の力となるデザインの可能性を探求することであり、懸案とされる問題について問いかける方法を提供します。具体的には、私の研究は、1)地球規模のコンピュータ化がもたらした人間、社会、文化への影響を見て、一般的な技術思想に疑問を呈し、 2)人間の思考力と世界観を結び直す認知的、存在論的、認識論的な変化を検証し、3)テクノロジーを社会文化的構造、人間と非人間の物質的記号的集合体として解き放つツールを開発します。私の現在の研究は、次の問題に取り組んでいます。テクノロジーはどのように人と社会を変えているか? 無駄なく洗練されているように設計された物質的世界において、人間であることは何を意味するのか? AIとアルゴリズムの役割に関する力を持つナラティブは何か? 私たちは、人間中心主義後の時代において非人間の役割について思索するために、デザインをどのように使うことができるだろうか?
テクノロジーは、多岐に亘る世界的な問題への解決策を提供しています。しかし、ソリューションの提供はその務めの一部にすぎません。同様に重要なことは、適切な問いかけをすることです。これは、学際的な共同研究と連携によってのみ、なし得ることです。このため私は、WRHIに参加することに非常に胸を躍らせています。テクノロジー、文化、デザイン研究の接合には大きな可能性があり、WRHIの優れた仲間と一緒に働くことを楽しみにしています。

<共同研究者>

東京工業大学環境・社会理工学院 野原佳代子教授