Otto Dopfer博士が特任教授として着任しました。

Otto Dopfer博士が特任教授として着任しました。

WRHIからのお知らせ

Otto Dopfer博士に、小山 二三夫科学技術創成研究院長より辞令交付しました。
(左から 藤井 正明教授、Ottp Dopfer特任教授、小山科学技術創成研究院長)

<専門分野>

実験物理学

 

<Tokyo Tech WRHIでの共同研究と抱負>

私たちのグループは、ほぼ20年に亘り東京工業大学の藤井正明教授と共同研究してきました。この強力な共同研究は、いくつかの共同研究プロジェクト(DFG/JSPS)とハイプロファイルジャーナルでの多くの共著論文と総説として結実しています(2005年以降35報を超える)。主要な共同研究テーマは、芳香族溶質分子の周りの溶媒和の構造とダイナミクスです。これは、溶液中のすべての化学反応の基本現象であり、タンパク質水和にとっても重要です。この目的のために、我々は、ベルリンと東京の2つの大学の研究室が相補的に有する世界的にもユニークな最先端のレーザー分光と質量分析法をサイズ、異性体、およびエネルギーを全て選別した芳香族クラスターに適用してきました。このようにして、我々は、いくつかの生体分子ビルディングブロック(ペプチド結合など)の周りの単一の水分子の運動ダイナミクスを真に分子レベルで、リアルタイムで解明することに成功しています。これにより(i)競合する溶媒反応経路およびメカニズム、(ii)反応速度および分岐比、(iii)反応中間体の有無および寿命、(iv)内部エネルギーへの依存、そして、(v)溶質の特性(官能基、水素結合受容体または供与体)への依存性、といったことを世界で初めて明らかにしてきました。
これからのWRHI内での研究期間において、我々は同じ研究戦略により芳香族生体分子の周りの水和ダイナミクスに於いて重要な溶媒 – 溶媒相互作用を解明していきます。この目的のために、複数の水配位子を有する分子クラスターを研究対象とし、従来得られている溶質―水溶媒ダイナミクスの蓄積と合わせて分子レベルでの溶媒和ダイナミクスの完全な解明を目指します。

<共同研究者>

東京工業大学科学技術創成研究院 藤井正明教授