Christoph Schick博士が特任教授として物質理工学院に着任しました。
WRHIからのお知らせ
Christoph Schick博士に、和田雄二物質理工学院長より辞令交付しました。
(左から森川淳子教授、Schick博士、和田物質理工学院長)

<専門分野>
材料科学、高速走査熱量測定
<Tokyo Tech WRHIでの共同研究と抱負>
研究テーマ:熱物性
Tokyo Tech WRHIの森川淳子教授グループと私のグループの研究は、様々な材料の熱物性に焦点を合わせて研究を進めてまいりました。過去20年間にわたり、私達は共通して、熱物性スペクトロスコピーならびに高速熱プロセスに、関心を抱いてきました。私たちの研究では、異なる視点の方法論によるアプローチをしていても、常に実り多い生産的な共同研究を行ってくることができました。具体的には、東京工業大学で開発された高速赤外線サーモグラフィーとロストック大学で開発されたチップベースの非断熱高速走査熱量測定を組み合わせた最初の実験以来、ポリマーと金属の高速熱プロセスのより深い理解に貢献することができました。私達のグループは非常に学際的な環境で活動しており、生物分子を含む低分子量化合物のポリマーから金属やセラミックスまで、幅広く関心を抱いております。私達が研究している現象には、ガラス転移、これらの多様な材料の結晶化および溶融、ならびに生体分子および他の熱に不安定な化合物の蒸発および昇華などのプロセスがあります。
東京工業大学の高速赤外線サーモグラフィーの専門知識と私達の高速走査熱量測定の専門知識を組み合わせることで、研究対象物質の熱安定性が限られているためにこれまではアクセスできなかった問題に答えることが可能になりました。アミノ酸、ペプチド、タンパク質または薬物のような複雑な分子の融解、結晶化、蒸発および昇華プロセスについて、その場観察による熱量測定技術およびサーモグラフィー技術によって、熱物理学的特性の測定によるより深い理解に貢献できることを期待しております。
私はWRHIの研究者とのインターフェイスを行うこのユニークな機会に、非常に胸を躍らせています。私は、WRHIでの在任期間中に、材料の幅広い選択肢の熱物理学的特性の測定について更に発展させ、森川教授との共同研究を進めてまいります。
<共同研究者>
東京工業大学物質理工学院 森川淳子教授