蛹期に備えて幼虫脂肪体のオートファジーは抑制される

蛹期に備えて幼虫脂肪体のオートファジーは抑制される

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細胞制御工学研究センターの木村宏教授Timothy Stasevich特任准教授らは、任意のタンパク質のリソソーム分解を生細胞で観察する新システムを開発し、ショウジョウバエの幼虫の最終期に、脂肪体にあるリソソームの機能が抑制されることを発見した。さらに、この機能抑制の結果、オートファジーが阻害され、脂肪体内にオートリソソームが蓄積することを明らかにした。脂肪体内に蓄積したオートリソソームは、外部からの栄養供給が絶たれた蛹期の栄養源として利用される。

幼虫の最終期に、脂肪体内にオートリソソームが蓄積する原因は、オートファジーの亢進によるものだとこれまで考えられていたが、今回新たに開発した生細胞でオートファジーによる分解を観察可能なシステムによって、オートリソソームの蓄積がオートファジーの抑制によるものであることを初めて明らかにした。

オートファジー・リソソーム系の異常は、神経変性疾患などの原因となることが知られている。本研究成果は、多様な疾患の分子標的となりうるオートファジー・リソソーム機能の調節メカニズムの理解へ向けて、新たな知見を提供すると期待される。

研究成果は2022年3月23日付で英国科学誌「Development」電子版に掲載された。

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